「日本男児ここにあり!」とでも云うような荒巻茂生の雄叫びを聴いた(笑)。
ARAMAKI BAND名儀での3作に続くこの最新作は昨年11月の録音で荒巻茂生名儀となっている。
全曲荒巻のオリジナルという点では第2作と同様だが、これまで以上に全員が日本の伝統を尊重し、日本人気質に漲る緊張感溢れる演奏を繰り広げてぼくの胸にもグッとくるものがあった。
1曲目の「KODO」は「鼓動」ではなく熊野の「古道」だ。旧作「紀州」の様に雄大で荘厳な曲想を持つ傑作だ。
長年の仲間、竹内直、吉田桂一、本田珠也の荒巻ジャズの理解度も5つ星(笑)。
テナーの重鎮峰厚介が3曲に客演しているが、まるでずっと一緒に演ってきたかのように一体感のある演奏で流石だ。
クローサーの「オールド・フォークス…」はほのぼのとしてくつろぎ感のあるいわば普通のジャズ語法で書かれており、楽しく聴けてもう一度アルバムを最初から聴きたくなる効果を持つ。
現代日本のジャズを代表する一枚として喧伝したい。
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