優秀賞
この道のひとすぢにして冬薔薇 小島信子(69歳)
【選評】
厳しい冬に咲く一輪のバラの生き方に、人生の厳しさと希望を感じる。
俳句コンテスト選考員(小)
寒い冬景色のなか鮮やかに咲く薔薇のように、どんな状況においても自分の信念を貫いて生きてきた誇りと美しさを感じる。自分の人生を誇る「黄金花」に登場する老人たちのようだ。
俳句コンテスト選考員(西)
石蕗の花ひっそりとまたくっきりと 伊尾喜明(俳号:かかし)(48歳)
【選評】
「ひっそりと」「くっきりと」という言葉のリズムが心地よい。ひっそりと咲く石蕗の花の情景が目の前に浮かんでくるようだ。
俳句コンテスト選考員(岩)
向日葵のように主張することはなく、桜のように褒めたたえられることはない、小さな黄色い花を咲かす石蕗。しかし、毎年必ず咲く力強さと、ひとの心を癒す優しさを持ちあわせている。そんな人でありたいと思うと同時に、その石蕗の花の美しさに気づきこの句を詠んだ作者のような心を持ちたいと思った。
俳句コンテスト選考員(西)
黄水仙君のくちづけ受けし夜 吉永里沙(65歳)
【選評】
選者の資格あるとは思えませんが、私の心に快く響いた句を選ばせて頂きました。
川津祐介
初恋の気持ちが切々と感じられ、とても若々しい印象を受けた。
俳句コンテスト選考員(小) |