Absolute Elsewhere 2023
Jun Kawabata
この作品は1997年にAbsolute Elsewhereとして発売された作品を中心に、今だったらこうしたいなと思って新たに手を入れたものである。だから、そのままのトラックと新たに録音しなおしたトラックが入り混じっている。
それにしても、20年前のアナログシンセの音はやはりいいなと思った。今にはない存在感がある。
ジャケットにはヨーロッパを旅してきた時の写真を使った。
中ジャケの右側の写真はポルトガルの田舎、ネクロポリスだ。町から外れたところの荒野にあり遠くに高圧線の鉄塔が立っていた。人は誰もいなかった。大きな石が積まれ、その手前には人が入るような窪みがある。ここに亡くなった者たちを入れたらしい。
左の写真はスペインの北のバスク地方。バスの中から撮った発電所。
表紙はカルカッソンヌで撮影した。羊たちはみな、ナンバリングされていて考えさせられる。
女性ボーカルはMarin。Airplaneは再録。男のボーカルはMooney。基本、普段はジャンプとかルーツ音楽をやっていて、日本中のライブハウス、バーを回っている。これも旅である。
2曲目のSEはシャルルドゴール空港にいた時なんとなく録音した。この時はなぜか空港のホテルに泊まって、一日中ターミナルをぶらぶらしていた。いきなりパリの街に行くには気が引けたのだ。コンコースで犬がないていた。
それにしても、20年前のアナログシンセの音はやはりいいなと思った。今にはない存在感がある。
ジャケットにはヨーロッパを旅してきた時の写真を使った。
中ジャケの右側の写真はポルトガルの田舎、ネクロポリスだ。町から外れたところの荒野にあり遠くに高圧線の鉄塔が立っていた。人は誰もいなかった。大きな石が積まれ、その手前には人が入るような窪みがある。ここに亡くなった者たちを入れたらしい。
左の写真はスペインの北のバスク地方。バスの中から撮った発電所。
表紙はカルカッソンヌで撮影した。羊たちはみな、ナンバリングされていて考えさせられる。
女性ボーカルはMarin。Airplaneは再録。男のボーカルはMooney。基本、普段はジャンプとかルーツ音楽をやっていて、日本中のライブハウス、バーを回っている。これも旅である。
2曲目のSEはシャルルドゴール空港にいた時なんとなく録音した。この時はなぜか空港のホテルに泊まって、一日中ターミナルをぶらぶらしていた。いきなりパリの街に行くには気が引けたのだ。コンコースで犬がないていた。
そういえば、昔、エジプトの空港でアフリカ行きの飛行機を何時間も待っていた時、待合室に痩せほそった猫が徘徊していた。ここでは自由なんだなと思った。
カラチの空港はターバンを巻いたイスラムがいっぱいドロンと黙って座ったいた。虚空を見ていて時間が止まっていた。何かすごいものを見た気がした。
セイシエルの空港待合室には緑のトカゲが壁に張り付いていた。エマニエル夫人の撮影地である。
モスクワの空港は薄暗かった。本当に暗くてソビエトのイメージがした。昔、小さい時大阪万博に行ってソ連館に入った時の異様な感覚。あの薄暗さ。アナウンスが流れていて、レーニンとマルクスのことばかり褒め称えていた。『レーニンて誰だ?』と思った。
アラブの空港は当時ピンクでパキパキしてラブホのようだった。
アンカレッジの空港には白熊の剥製があった。こちらに牙をむいていた(ような気がする)。長い乗り換えの待ち時間、仕方なく上手くないウドンを食べた。なぜかウドン屋があったのだ。空港の店の人たちもカタコトの日本語を話していた。今、もう一度どのくらい上手くなかったか食べてみたい気もする。もしかしたらすごく上手いかもしれない。
そういえば、パリの空港では入国できずスーツケースを積んだワゴンを引いて何ヶ月も生活している男がいた。今はどうしているんだろう?
僕は空港が好きなのだ。
カラチの空港はターバンを巻いたイスラムがいっぱいドロンと黙って座ったいた。虚空を見ていて時間が止まっていた。何かすごいものを見た気がした。
セイシエルの空港待合室には緑のトカゲが壁に張り付いていた。エマニエル夫人の撮影地である。
モスクワの空港は薄暗かった。本当に暗くてソビエトのイメージがした。昔、小さい時大阪万博に行ってソ連館に入った時の異様な感覚。あの薄暗さ。アナウンスが流れていて、レーニンとマルクスのことばかり褒め称えていた。『レーニンて誰だ?』と思った。
アラブの空港は当時ピンクでパキパキしてラブホのようだった。
アンカレッジの空港には白熊の剥製があった。こちらに牙をむいていた(ような気がする)。長い乗り換えの待ち時間、仕方なく上手くないウドンを食べた。なぜかウドン屋があったのだ。空港の店の人たちもカタコトの日本語を話していた。今、もう一度どのくらい上手くなかったか食べてみたい気もする。もしかしたらすごく上手いかもしれない。
そういえば、パリの空港では入国できずスーツケースを積んだワゴンを引いて何ヶ月も生活している男がいた。今はどうしているんだろう?
僕は空港が好きなのだ。
Absolute Elsewhere 2023
Jun Kawabata
Jun Kawabata
- 01. Paris Night
- 02. Charles de Gaulle Airport - 1997
- 03. Airplane
- 04. To Switzerland
- 05. Paris Decadence
- 06. Go Home
- 07. The Last Sanctuary
- 08. Paris Sexual Dependency
- 09. Heaven
- 10. Road to Nowhere
- 11. Dusty Road
Credit
- Mooney (Vocal - 6,10)
- Toshikatsu Uchiumi (Guitar - 7,9 Vocal - 9)
- Marin (Vocal - 1,3,6,7,9,11)
- Hitoshi Kanazawa (Guitar - 1,4,5,8)
- Isao Hatano (Alto & Tenor Sax - 8)
- Tatsuya Chiba (Guitar - 10)
- Shinichiro Yamazaki (Recorder)
- Takashi Yoshioka (Percussion - 8)
- Tamaya Honda (Drum - 11)
- Masahiro Kubota (Recording Engineer - 6,10)
- Jun Kawabata (Piano Moog Arp Synth Voice Perc)
- All music composed & arranged by Jun Kawabata
- Mastering Hideki Ataka
- Photograph Jun Kawabata
- Designed by Wataru Yoshioka
- Produced by Jun Kawabata
- Airplane Label Tokyo