湾岸戦争が始まった時、僕はスペインのフイゲレスという小さな町にいて誰もいないホテルのレストランでイカ墨のリゾットを食べていた。古い調度品と豪華なシャンデリアがあり、しんとしたレストランの壁にはピンとヒゲのはったダリの写真と数枚のサイン入りの絵が飾られていた。
小さなロビーには数人の客が集まりじっと皆、テレビを見つめていた。
ミドリ色の画面に白い尾をひいたスカッドミサイルが飛んでいった。
まるで、花火みたいだなと思った。
部屋にもどり、テレビをつけると女のアナウンンサーが必死な顔で話している。
違うチャンネルではポルノをやっている。
更に違うチャンネルにまわすと何処かの国の大洪水の状況が映し出される。
僕はその時、ビールを飲みながらベッドで横になりながらそれらを眺めていた。
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