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91歳の木村監督のメッセージ
序  〜木村威夫 花座〜
91歳 木村威夫 映画の余白に向け

木村威夫は、鈴木清順、熊井啓、黒木和雄など、日本を代表する名監督との仕事で世界的に名高い美術監督である。まさに日本映画界の至宝。
その活動範囲は、名匠から無名のインデペンデント作品まで多岐にわたる。
安定を拒み、変化と変容を求め、枯れることを知らない生命力で、常識と常套に果敢に挑み続けている。
そしてこの度、『黄金花−秘すれば花 死すれば蝶−』の公開を“〜木村威夫 花座〜”と命名。
東京を皮切りに、日本全国で〜木村威夫 花座〜興行を展開する。
写真:木村威夫監督

 

木村威夫は1918年4月1日生まれ。16歳(1935年)で舞台美術の大御所である伊藤熹朔の弟子となり、ドイツ表現主義の影響を受ける。23歳(1941年)から映画美術に従事し、本年に至る68年間、携わった劇場公開作品は230本を超える。第14回モントリオール世界映画祭最優秀美術賞、毎日映画コンクール美術賞、日本アカデミー美術賞、勲四等旭日小綬賞、日本ペンクラブ功労賞、毎日芸術賞特別賞を受賞するなど、その功績を各界から称えられている。
2004年、『夢幻彷徨 MUGEN-SASURAI』で短編映画監督デビュー。以来、アイデアが泉のように湧き出し、『街』(2004年)、『OLD SALMON 海を見つめて過ぎた時間』(2006年)、『馬頭琴夜想曲』(2007年)を発表。
そして、2008年、ついに長編監督としてデビューする。岩波ホールで公開された『夢のまにまに』は、日本映画史上最高齢での長編劇場公開監督デビューとして、ギネスブックにも登録され話題を集めたほか、藤本賞 奨励賞を受賞した。
長編第2作目にあたる本作は、映画美術世界の第一線として活躍してきた木村威夫だからこそ為しえる、既存の映画文法を打ち破り、既成概念を大胆に逸脱した渾身の一作。自身が歩んできた映画界の歴史と、自らの人生を重ね合わせ、“映画に残されている余白”の中で縦横無尽に戯れ、世阿弥の幽玄、シェークスピアの猥雑さを、『フェリーニの道化師』の如くに表現した。
〜木村威夫 花座〜は、今始まったばかりなのである。

 

〜木村威夫 花座〜に集う名優たちのゴールデンタイム!
主役の植物学者・牧草太郎役を日本映画に欠かせない存在である原田芳雄が演じ、鍵を握る介護士長役を松坂慶子がつとめた。舞台となる「浴陽荘」で暮らす奇妙な老人たちを、川津祐介(役者老人)、三條美紀(おなお婆さん)、松原智恵子(小町婆さん)、絵沢萠子(おりん婆さん)、野呂圭介(ピーナッツ老人)、飯島大介(易者老人)、牧口元美(質屋老人)、真実一路(物理学者老人)、中沢青六(板前老人)が、個性豊かに熱演。そして、「浴陽荘」の院長役には長門裕之、巡礼役に麿赤兒が扮し、奥行きを深める。そのほか、医者役に松尾貴史、上ノ茗真二、留学生役にシャノー・ユリアーナ、大学の教授役に小林三四郎、さらにクラブの歌い手としてあがた森魚が花を添えた。生と死、明と暗、絶望と希望、静寂と喧騒、若さと老いを、自らが体験した戦後の混沌、そして映画の世界で闘い続けた自身の半生に重ね合わせ、日本映画の全盛期さながら、名優たちのゴールデンタイムが甦える。

 

北白川派代第一弾作品
協力プロデューサーである林海象監督が学科長を務める京都造形芸術大学映画学科が映画制作に全面的に協力して本作は完成した。ラインプロデューサーに山本起也、撮影監督に小川真司、録音に浦田和治、脚本協力に水上竜士など、熟練の大学講師陣が強力にバックアップ。90歳を超える木村監督と現場に参加した学生他との年齢差は何と70歳。木村監督が命名し、林監督が構想する映像集団“北白川派”の記念すべき第一作目となった。

 

花座の由来
世阿弥の「秘すれば花、死すれば蝶」の「花」の文字は美しい。
満天の星座をみつめていて、その座に気付いた。
銀座・歌舞伎座、みんな縁起が良い―そうだ、「花座」だ―と定めた。
単純にして奥が深い感じだ。
「花座」は、私を取り巻く、グループのプロダクション名という事になる。
平成21年9月6日 木村威夫

 

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