ナビゲーションバー
その馬頭琴に見覚えのある修道院長は、赤子を世羽(ヨハネ)と名づけ、教会で育てることにする。
修道院長は、1945年の長崎の原爆で間一髪難を逃れた経験を持つ。彼女が失った多くの人々の中に馬頭琴奏者のナランさんがいた。
彼は被爆し亡くなったが、馬頭琴だけは焼けずに残り、一時期彼女が預かった後に、息子が引き取りにやって来た。
そうして月日は流れ、再び現れた馬頭琴。
 やがて赤子は少年となり、宇宙に思いを馳せるようになる。生まれつき足の悪かった世羽は、ある晩、高熱にうなされる。
爪弾かれた馬頭琴の音色と共に、夢の扉が開かれた。
彼女が奏でる馬頭琴が、世羽を時空を超えた世界に誘う。
モンゴルの伝統的な楽器である馬頭琴の独特の音色は、胡弓に比べ力強く、草原のチェロとも形容され、モンゴロイドの血筋を受け継ぐ日本人の琴線に触れる。人間の歴史は戦争の歴史。まるで、断ち切れない人間の業のように思える。
しかし、戦いに流れた血を洗い流してきた馬頭琴の調べは、ついに、民族・宗教を越えて愛の奇跡を呼び起こす。

 

 

 

このページのトップへ
TOP INTORODUCTION STORY DIRECTORS/STAFF CAST
PRODUCTION NOTE SOUND TRACK COMMENT THEATER PODCAST